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カネカロン®とは
About KANECARON®

カネカロン®はアクリロニトリルと塩化ビニルの共重合により出来たモダクリル繊維です

カネカロン®の特徴

カネカロン®はアクリロニトリルと塩化ビニルの共重合により出来たモダクリル繊維です

選択肢を広げるスペックラインナップ

選択肢を広げるスペックラインナップ

カネカロン®は50年以上の開発史の中で、動物毛皮を研究し、多様な動物それぞれの特性に合う繊維の研究開発を行ってきました。エコファーの品質を決める重要なポイントは、繊維の断面形状・光沢・繊度・長さ・繊維の種類の組合せです。要望に応じて最適な繊維を提供出来るようスペックを取り揃えています。

素材難燃性

素材難燃性

カネカロン®は難燃性に優れる塩化ビニルを含んでおり、素材自体に難燃性を持っています。そのため、難燃性は洗濯等によって劣化しにくい素材です。火元が取り除かれると、火は燃え上がることはなく、自己消火します(LOI値(限界酸素指数):26以上、自社試験結果であり、保証値ではありません)。
特にぬいぐるみ、ホームテキスタイル、子供服等安全性への配慮が必要な用途に有効です。

※LOI値とは難燃性を測る尺度として用いられる数値で、「JIS K7201 限界酸素指数」で規定されています。LOI値は、窒素と酸素の混合気体において、物質の燃焼を持続させるのに必要な最少酸素量の容積百分率で表されます。つまり、LOI値が高いほど燃え難いということが言えます。

カネカロン®の開発の歴史

カネカロン®の生産開始は1957年に遡ります。天然素材の羊毛に代わる素材として生産当初は主に毛布用途からスタートしました。

その後、 1960年代に欧米に輸出したカネカロン®が「イミテーションファー」(当時のエコファーの呼称)に使われているという市場情報を得て調査を実施。
調査の結果、カネカロン®の素材特性が最も生かせる用途であると確信し、本格的にエコファー向けの開発を開始しました。

カネカロン®は50年以上の歳月をかけ、高い品質のエコファーを目指して開発を続けてきました。
今なお、さらに高いレベルのエコファーを実現すべく成長を続けています。

カネカロン®の開発

素材の開発

素材の開発

素材開発のキーは目標となる動物毛皮をしっかりと研究することです。

それぞれの動物によって毛皮の形状は異なります。更に1種類の動物でも異なる種類の繊維が混ざった構成となっています。

これら動物毎の毛皮の詳細な分析から、最適な断面形状・光沢・繊度・長さを備えた繊維開発を行います。

また、生地加工での扱い易さにも開発重点を置き、熱収縮性や原着性(繊維生産時に着色してある繊維)のある繊維など独自の視点での繊維商品もラインナップしています。

現在、カネカロン®のスペックは全て合わせると約200種あります。多様なスペックを揃えていることが、エコファーのバリエーションをより豊かに広げるキーとなります。

生地の研究

生地の研究

カネカロン®の開発は繊維だけに留まりません。

カネカロン®の約200種の多様なスペックをそれぞれの特長が生きる構成で使うことによって、より良いエコファー生地を作り上げることが出来ます。

そのため、カネカは1970年代にエコファーの原料メーカーであるものの、生地の生産設備を自社ラボに導入しました。

これにより、エコファー品質を高めるための、繊維構成・生地加工条件を自社で徹底的に試作し、これをパートナーである生地加工メーカーに伝授することでカネカロン®を使った生地の高品質化に貢献しています。

加工方法の開発

加工方法の開発

カネカロン®は、従来の生地加工に変化を加え、既存のエコファーに新たな付加価値を与える活動も行っています。

例えば、「Lustrous®(ラストラス)」はエコファー生地の課題であった「毛抜け」を抑制する技術としてカネカが開発した加工技術です。

生地裏面に熱ローラーを当て、カネカロン®を裏生地に融着させることで毛抜けを抑制させています。

また、Lustrous®は重ね着時のインナーへの抜け毛の付着だけでなく、 ホームテキスタイルやぬいぐるみなど日常生活時の埃発生を防ぎ、よりクリーンな生活空間を保つことにも貢献します。他にも、生地縫製時の裁断面からの毛こぼれの抑制にもつながり、縫製工場の環境をより清潔にすることにも役立ちます。

カネカロン®使用エコファー

「エコファー」とは、動物毛皮の代わりに化学繊維を使用した立毛調生地。動物の犠牲を伴わずにそのファッション性を楽しめる点が肯定的に捉えられています。

エコファーの由来

「エコファー」とは、動物毛皮の代わりに化学繊維を使用した立毛調生地のことをさします。「フェイクファー」がさす生地もエコファーと同じです。
エコファーという呼び名はフェイクファーという言葉の代替として、近年ファッション雑誌・ファッションメディアを中心に使われ、今では若い世代を中心にファッション素材の1つとして定着しつつある言葉です。 1960年代から生産が本格化したフェイクファーは、長い歴史の中で技術力を着実に向上させ、今ではその品質が評価されラグジュアリブランドなどにも採用される素材となっています。
エコファーという呼び方が浸透し始めたのも、動物毛皮の安価な模倣品という位置付けでフェイク=偽物/模造品という言葉が使われていた時代から、フェイクファー自体の品質向上により単なる動物毛皮の模倣品とは位置づけが変化をしてきたことが背景にあると考えています。

さらに、エコファーの魅力は単なる動物毛皮の模倣だけでなく、カラー・デザインなどがアレンジ出来る点にもあります。
エコファーのエコは生態系への配慮という点に由来します。動物の犠牲を伴わずにそのファッション性を楽しめる点が肯定的に捉えられています。

エコファーと動物愛護 ​​

エコファーは、動物愛護の気運の高まりとともに、より注目されてきた素材です。

動物毛皮は古来より防寒衣料として使用されてきました。特に寒冷気候の北ヨーロッパなどでは生活に欠かせない必需品でした。人々の経済活動が盛んになるにつれ、動物毛皮はその資産価値に注目が集まり、その結果、乱獲・養殖産業の勃興にもつながっていきます。さらに2000年代以降には、養殖場での動物の取扱いが問題視されるようになります。

この中で、ファストファッションからラグジュアリーブランドまで動物毛皮の使用廃止を宣言するブランドが増加しています。また、2022年9月時点では、動物毛皮の使用へ反対を表明するFur Free Alliance(FFA)が各国で展開するファーフリープログラムに1572のブランドが参加をしています。

近年動物毛皮の使用廃止を宣言した
主要ブランド(例)

  • ARMANI GROUP

    March 2016
  • GUCCI

    October 2017
  • MICHAEL KORS

    December 2017
  • FURLA

    March 2018
  • BURBERRY

    September 2018
  • PRADA GROUP

    May 2019
  • ADIDAS

    February 2021
  • DOLCE & GABBANA

    January 2022
  • MONCLER

    December 2023